パキシル減量 110日
<睡眠の状況>
昨夜はほとんど眠れず・・
昨日の服用量:レンドルミン 0.25mg マイスリー デパス アモキサン35mg
am6:00起床
<精神の状況と体調>
今週の服用量:パキシル なし(zeroにして89日)
昨日は水のそこに潜ったような息苦しさに、もう
我慢の限界・・と思ったのに、今日はずいぶん
安定して、普通の朝を迎える。
本当に、比喩ではなく、自分の不機嫌・不安・イライラを
統御できず、その自分に疲れ果てて窒息しそうになる。
窒息しそうだ・・もうだめだ・・と思うと、今日のように
少し水の上に出て息が吸えるのだから不思議と言うか残酷と
いうか。いっそのこと死なせてくれれば楽なのにと恨みがましく
もなるけれど、調子が回復すると生きているのも悪くないなと・・。
ジェットコースターから早く降りたい。
私の物語⑥
不安の畑を耕して、豊かな実りを刈り取りつつ、私はしだいに
病んでいった。それでも、本当の病人になるにはまだ、少し時間があった。
もし、私の畑にまかれる水が、私の空想上のものでしか
なかったなら、畑はいずれ荒地となり、不安の果実は腐った
はずだった。
私は、いつも陽が輝いて、この毒草を枯らしてくれることを
祈ったけれど、雨乞いもしないのに雨は降り、晴天を祈っても
むなしく空は曇った。
でも、彼には曇り空も、雨も見えなかった。
とても私たちは幸せそうだった。
ふたりはいつも仲がよかった。
雨が降ったことも、毒の実も、私の妄想だったのだろうか?
私が願ったことは、ほんとうにささやかなことだ。
ただ、もう彼女と二度と会わないで居てくれること。
それがそんなに過大な望みだと私には理解できなかった。
パキシル減量 109日
<睡眠の状況>
睡眠はまあ、安定している。
昨日の服用量:レンドルミン 0.25mg マイスリー デパス アモキサン35mg
am6:00起床
<精神の状況と体調>
今週の服用量:パキシル なし(zeroにして88日)
水曜日までなんとか維持して上向いてきた鬱症状が
また、がくっと崩れてしまった。
私の周りには「鬱」のボタンが溢れていて
ちょっとしたキーワード、ちょっとした光景、メッセージで
あっという間に幸福な時間は消え去ってしまう。
一種の過敏症であることは自分でもわかる。
通常のアレルギー、たとえばアトピーなどは、一生病気と
つきあうという。
完治することはないので、どうやってボタンを押さないようにするか、
つまり、花粉とか、食べ物とかを排除することによってしか
健康を維持できない。(もちろん例外はあるらしいしけれど・・)
それと同じなら、私は情報の無菌室に入らなければ生きていけない
のだろう。ボタンを押されることのない、私にとって清潔で快適な情報だけを
提供してくれる無菌室。
でも、そんなところはないのだから。
共存しなければ。
パキシル減量 106日
<睡眠の状況>
よく眠れず、早朝からいやな夢ばかり・・
昨日の服用量:レンドルミン 0.25mg マイスリー デパス アモキサン50mg
am6:00起床
<精神の状況と体調>
今週の服用量:パキシル なし(zeroにして85日)
他人に対してイライラは出さなくなったものの
きっと人から見たら「なんて暗いやつ」ってみえるの
だろうなあ・・と思う。
時々、意識して目に力を入れて明るい光をともそうとする
のだけど、集中力が続かない。
私の物語⑤
「恋をすると寂しくなる」とはよく言い古された
言葉だけれど、本当に人を好きになることはさびしい。
一緒に居ても、居なくてもたまらない寂しさが
募るようになったのは、彼を信じることができなかった
せいなのか、恋は結局そんなものなのか、人と比べられない
ことなのでよくわからない。
ただ、寂しさが「脅迫的」になってくるとこれはもう
異常なのだろう。私はいつのまにか「死の棘」のミホのようになっていた。
パキシル減量 104日
<睡眠の状況>
昨日の服用量:レンドルミン 0.25mg マイスリー デパス アモキサン50mg
am11:00起床
<精神の状況と体調>
今週の服用量:パキシル なし(zeroにして83日)
今日はすっかり午前中ダウンで11:00まで眠っていた。
けれど、午後少しは元気が出て、部屋の掃除をして
映画を観にいった。
映画は「狩人と犬最後の旅」というドキュメンタリー
タッチのフランスもの。
大自然とその中で淡々と暮らす人々に、自分の情けなさ
というのか、小さなことに執着している愚かさを
改めてどうにかしなければ・・と思う。
でも、無理しないこと。
私の物語④
いつから、私は変になったのだろう。
本格的に「病気」と言われ、通院するようになったのは
彼が彼女とあっていることを知ってから1年以上あとのことだ。よく耕された土地では、種は豊かな実をつける。
私の中で、不安の果実が実を結ぶのはそう難しいことでは
なかった。「恋がひとを壊す」のか、もともと壊れていたものが
恋愛でいっそう壊れたのか私にはわからない。
もしかすると、私は最初から壊れていたのかもしれない。
彼はただ引き金を引いただけなのかもしれない。
彼が、引き金を引かずとも、やはり私はこうなって
いたのかもしれない。私は、頻繁に彼に訊ねるようになっていった。
「今週は彼女から電話なかった?」
「電話しないで・・と言ってくれた?」
「もう会ってないよね・・」彼は正直だった。
「今週は電話があった。」
「彼女は今度、房総に別荘をたてるかもしれないって」
「彼女は今度、C市の市長選にでるかも知れないって」
「彼女は今度・・」もうききたくない。でも私は聞き続けた。
嘘をついてくれれば救われたのか、よくわからない。
ただ、嘘と本当のまざった会話の中で、不安はもっと
膨らんだことは確かだったと思う。